小説「君の名は。」を読んで気づいた20年来の心の空洞の正体。

僕は大学4年の頃に忘れられない大恋愛?をしました…

daigaku

僕は大学4年の頃に忘れられない大恋愛?をし、そしてそれは淡く、儚く消えました。
そして、その時からずっと心に抱いていた空洞がありました。
なんだかわからない、その空洞の正体をずっと探してきたんです。
最近、小説「君の名は。」を読んで20年来の心の空洞の正体に気づくことができました。

お互いの立場のため、決して実ることのない、実らせてはならない恋。

同じ大学に通う同じサークルの同学年の彼女(A子さんとします)と僕はお互いが気になっていた。
僕は当時、好きでもないいちおう恋人といえる相手がいました。(B子とします)
ただ、B子は自分の小学校の頃の教師と不倫して寝たり、大学教授と不倫したり、それでいて僕と話す女の子に嫌がらせをしたり(していたらしい)と散々でした。
特にA子さんへの嫌がらせはひどいものだったと後で聞きました。それでもA子さんはB子と僕に気を使って我慢してくれていたんです。
僕がB子を好きでないと薄々気づいていた女のカンなんでしょう。それを他の女の子のせいだと思いこんだ。
そして僕を他の男との不倫で揺さぶる。
僕は体はともかく、男女の関係に対してはピュアで潔癖でした。
そんなドロドロした関係を強要し、ゆさぶるB子をまるで汚物のようにしか思えなくなっていました。

僕は僕の態度がますます自分から離れて行くことを感じていたのでしょう。
B子はどんどん壊れていきました。
でも僕は彼女に一切同情することなく、心を鬼にして彼女との関係を切りました。卒業、就職を控えた秋のことだったと思います。
数々の裏切り、奇怪な行動。僕の将来を彼女の犠牲にする義理はないと思っていました。
徹底的にB子を避け続けました。
そして、B子は学校に来なくなりました。
噂では不倫相手と泥沼の状態になったと聞きました。

しばらくして僕へのB子のストーカー行為が始まりました。多分、その危うさから、不倫相手にも相手にされなくなってしまったのでしょう。
電話にはもちろん出ません。親がイタ電を処理してくれました。
実家にも押しかけられました。親が押し返してくれました。
それほどの頻度ではなかったのですが、本当に親には迷惑をかけました。
徹底的に避けたためか、ストーカー行為はしばらくすると止みました。

僕はB子を好きでもないのに、母子家族であるB子の境遇を哀れみ、関わったのが一番いけなかったことなのかもしれません。
しかし、B子は結局自分だけが可愛くて、壊れていく自分に陶酔する性格でした。
この世で1人しかいない、苦労して学校に通わせてくれている親を尊敬し、感謝し、まじめに生きようとするということはしませんでした。
根がカタブツの僕はそんなB子が内心ではどうにも嫌いで仕方ありませんでした。
B子はそんな僕がどうして心からB子を好きになれないのか、ということは全く関心を示そうとしませんでした。

A子さんに、B子は色々な嫌がらせをしていたみたいなんですが、僕がB子の連絡に一切出なくなったあとは気が狂ったようなことを喚いてきたみたいです。
B子の横暴に悩んでいた僕とA子さんは何時しか会うようになり、傷を癒しあうようになりました。
2人きりで街へも出ました。
僕は彼女の髪をほどくしぐさと線の細い横顔が愛おしく、よくドキドキしていました。
お互いに気がある。僕がそう思っていただけなのかもしれませんが、でなければあれほど2人だけで一緒にいただろうか、と思います。
そして、A子さんは一度、僕の前で無防備な姿を見せました。
いつも僕の前では気丈で、笑顔を絶やさなかったA子さん。
何がきっかけだったのかよく覚えていません。
突然A子さんの気持ちがプツっと崩壊し、激しく泣き崩れました。
どうしてB子は私にひどいことばかりするのか、と。私は誠心誠意B子のことを思ってきたのに…私は何もしていないのに…と。
A子さんは別に僕のことはここでは何かとやかく言ってはいません。でも、僕はその時、自分が詰られたように委縮しきっていました。
ただ一緒にいてハンカチを差し出し、「ごめん」と謝るしかありませんでした…

A子さんとは一緒にいると、穏やかに2人の時間を過ごせる。
お互いに気があると思う。
でも、だからといって、このままずっと一緒にいれば、きっとB子がいるのに…という声が出る。
(僕からは周りにはずっと付き合っているとも別れたとも言ったことはありませんでした。僕自身がB子との関係に納得していなかったから。でもB子の暗躍があり、周知されてしまっていた。)
彼女からしてみたら、B子から奪ったたなんて思われたくないだろう。
そして、僕もすぐに乗り換えるなんて、軽薄で責任感のない最低男だと言われるだろう。
お互いの立場と各々のブライド…2人は最後まであいまいな関係でした。

恋をしていた。

でも、2人にとっては決して実ることのない、実らせてはならない恋でした。

もう一度だけでいいから、2人きりで会いたかった。叶わぬ願い。

それからしばらくして、B子が精神病棟に収容されたと彼女の母親から連絡がありました。
母親は彼女の奇怪な行動でどんなにか苦労し、心を痛めたろうに、僕に娘のことを謝りました。
僕は僕がB子を狂わせる遠因になったかもしれない責任を感じながらも、母親をねぎらい、謝罪することができませんでした。
ここでもし、母親にねぎらい、謝罪したならばB子との縁は完全に断ち切ることはできないと思ったからです。
それから、2度と、B子が僕の前に現れることも、B子の親が連絡してくることもありませんでした。

B子の気配が学校から完全に消えると、二人の仲を周りに悟られたくなかったということがあるのでしょう。かえってお互いに気を使ってしまい、二人で会うことはなくなっていきました。
授業のあまりない4年に加え、卒業前の長い春休みが始まりました。
告白してない僕は、A子さんに自分から会いに行くということはできませんでした。

卒業論文、バイト、卒業旅行…日々は矢のように過ぎ、間もなく卒業。
僕は東京に本社がある会社に就職が決まっていました。
彼女は大学に残り、大学院に進学することが決まっていました。
けれど、僕の胸には何とも言えない焦燥感が常にありました。
指折り数え、焦る。けどどうにもならない日々。

あと少しで会えなくなる。できたらその前にもう一度だけでも二人だけで話がしたかった。
もう少しでいいから、二人だけで一緒にいたかった。

全身の血が胸に集まったような感じで、胸が痛い。
でも、最後まで結局その願いは叶いませんでした。
卒業式。やっと2人は会えました。
けれどずっと後輩と、他の同級生と一緒。2人で話す機会はありませんでした。
お互いにどうしていいのか、どう言葉をかけていいのかわからず、お互い近づくことができませんでした。
そして最後までまともに目を合わすこともできませんでした。
もう少し僕に勇気があれば―

卒業後、間もなく、僕は東京に新人研修に旅立ちました。
もうA子さんと二度と会うことはないかもしれない…わかっていながら、心を整理することはできませんでした。
胸にぽっかり空いたような空洞。いつまでも埋まりませんでした。
この頃はお気に入りの失恋ソングばかりを聞いていました。
それから2か月後、遠く岡山に赴任することになった僕は、その報告がてら、卒業生としてサークルに顔を出すことができました。
A子さんの姿はありませんでした。
僕は、A子さんが、サークルの後輩と付き合い始めたということをその時聞きました。
まあ、とても本気とは思えなかったんですけども―
だって、僕には年上が好みだって言ってたしね。

ぽっかり空いた心の穴は毎日がむしゃらに生きる僕のなかで次第に小さくなっていきました。
でもそれは岡山で彼女ができても、その後その彼女と結婚しても完全には埋まることはありませんでした。
A子さんとは年賀状だけはやりとりがありました。
僕は結婚し子供ができました。当然報告しました。
僕はA子さんを忘れないといけないし、A子さんも僕を忘れないといけないと思っていたのかもしれません。
なぜか焦っていました。身を固めることを。
それは少しばかりでもA子さんにショックを与えたのでしょうか?
間もなく、A子さんが結婚したことを年賀状で知りました。
結局、相手は後輩ではありません。お相手は全く知らない人でした。
いつからかわかりません。年賀状のやりとりは途絶えてしまいました。
お互いを忘れようとするように…

埋まりきらない空洞。ただひたすらな「寂しさ」

胸に小さいけど、埋まりきらない空洞がある。
それまで漠然としたもので、今日までずっと何かがわかりませんでした。
あれから、20年も経った今でもかすかに胸がうずきます。
最近、小説「君の名は。」を読んで、はじめて、その空洞の正体がわかりました。
その空洞は「寂しさ」だったんですね。

結局、忘れきることなんてできない。
本気の恋は、そして破れた恋は、一生消えない寂しさを与えるのです。それはまるで神罰のよう。
消えないから、ずっと死ぬまでそれを抱えて生きる覚悟をしなくてはならない。
消えない寂しさを抱え、ただがむしゃらに、美しくもがき、生きていかなくてはならない。

「君の名は。」では主人公は寂しさと戦う覚悟を決めます。
僕は寂しさと戦うなんて発想ができなかった。
でも、今は、一生を懸命に生きる。寂しさと戦いながらも。と決心した。
そして「寂しさ」はなんだか懐かしい、美しいものに僕の中で変わってきています。

小説「君の名は。」では、最後めでたくお互いの寂しさを埋めることができました。
「またきっと会える。」
「2人がこのまま知らない者同士なんて、すれ違ったままなんて間違ってる。」
お互いに面識はない。けれどもお互いを探していたことを確信している。
2人は最後は希望を予感しながら勇気をもって向き合い、ハッピーエンドを迎えます。

僕はもがいてももがいても、あの時期生じた「寂しさ」は完全には埋まらないことはわかっている。
この懐かしくもあり、美しくもある「寂しさ」を一生背負って、墓場まで持って行こう。そう決めています。
そして生まれ変わったら、「寂しさ」はリセットされるのだろうか。

あれから20年が経ちました。寂しさは消えないけども。

majiwarute

僕には「君の名は。」のように寂しさを埋めるチャンスはありました。
でも、B子の手前、A子さんのプライドを守らなくてはならない。彼女を貶めてはならない。
という気持ちが寂しさに勝ってしまいました。
彼女は最後に会ったあの時、僕に対してどう思っていたのだろう。
今となってはよくわかりません。
この小説を読んで心の空洞が何だったのかということがわかりました。
この小説を読まなかったら、今後も僕はずっと心の空洞の正体を探していたと思います。

あれからもう20年が経ちました。
彼女は立派な母親になっているでしょう。
もう、お互いを意識することなく昔を懐かしむことができる年になったのでしょうか。
ひょっとしたら、あの時の僕のこと、実は彼女にとっては取るに足ることではなくって、もう覚えてないかもしれない。
結局、僕の片思いで、ただ僕は自惚れていただけだったのかもしれない。

これから先、彼女とは単に同窓生として再開し、昔を共に懐かしむことができる機会があるのかどうかはわかりません。
会ったら会ったで、多分彼女と自分、決して交わることのない立場に、あの時のように心に寂しさを感じるのかもしれません。
ですが、20年の月日はあまりにも長かった。
きっと、多分、彼女と次に会った時は、僕はあの時と違い、勇気をもって旧友として気さくに声を掛けることができる。
そして、これからのお互いの人生をもがいてもがいて、頑張ろうとエールを送れる。
そんな気がするのです。

まとまらない。駄文、長々と失礼しました。m(__)m

 

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1 Comment

  1. どうも、通りすがりの専業アフィリエイターです。

    「君の名は。」もいいですが、新海誠の名作「秒速5センチメートル」もおすすめです。
    大恋愛した過去がある男性はグッとくると思いますよ^^

    https://www.youtube.com/watch?v=1X95eE2fwuc

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